研究課題
①ラット水晶体摘出術後の後嚢混濁(PCO)モデルにおいてDNAマイクロアレイ解析を行ったところ、PCO組織でプロテオグリカンの1つであるDCNが高発現であった。②ヒト前房水中にもDCN が分泌されており、ヒト水晶体上皮細胞(LEC)においてmRNA発現を確認した。LECのDCN発現量や前房水のDCN濃度は、年齢や水晶体混濁病型及び混濁程度との相関はなかった。③LECの培養細胞実験において、培養ヒトLEC、マウスLEC共に、FGF2添加により濃度依存的にDCN mRNA発現が増加し、TGFβ2添加によりDCN mRNA発現が低下を認めた。また、DCN添加によりLECの細胞増殖能の亢進や減少は認めないことが分かった。④DCNトランスジェニックマウス(DCN-Tg)の水晶体および眼球組織は、野生型マウスの組織と比較して変化は認められなかった。この結果より、DCNが水晶体組織に悪影響を及ぼさないことが明らかになった。外傷実験では、 DCN-Tgで線維芽細胞様変化の面積がコントロールより減少しており、組織学的に上皮間葉系移行(EMT)変化が抑制されていることが確認された。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Cells
巻: 10 ページ: 863
10.3390/cells10040863