免疫染色にてチン氏帯がFibrillin-1染色にて、正常マウス、LTBP4ノックアウトマウスともに染色された。しかし、正常マウスとLTBP2KOマウスのチン氏帯の本数が明らかに異なり、LTBP4ノックアウトマウスの方が有意に少なかった。チン氏帯を水晶体を指示する組織であり、LTBP-2ノックアウトマウスでは凍結切片によるwhole eyeでのHE染色を行うと、水晶体が(亜)脱臼を呈していた。以上の結果から、LTBP2-/-はミクロフィブリル形成不全ではなく、加齢により成熟後のミクロフィブリル破壊を生じる可能性が示唆された。さらに老齢化LTBP2-/-マウスに対して、LTBP4overexpressionすると、毛様小帯のミクロフィブリルが正常化することに成功している。 なお、正常マウス、LTBP4ノックアウトマウスともに眼底に光凝固術を行い、脈絡膜新生血管の発生形態、発育速度、退縮過程に有意差はなかった。LTBP-4ノックアウトマウスはブルッフ膜弾性板の形成不全も呈したために、光凝固の出力パワーを弱めにして行い、正常マウスでは同様の出力では脈絡膜新生血管が生じなかったが、LTBP-4ノックアウトマウスにおいては脈絡膜新生血管が生じた。以上の結果からブルッフ膜弾性板の脆弱化がより脈絡膜新生血管を生じやすいことがわかった。
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