網膜芽細胞腫は最も頻度の高い小児眼内悪性腫瘍である。様々な治療法の開発により網膜芽細胞腫は生命予後が良好な悪性腫瘍となったが、現在もなお重症例の眼球温存率は低い。また、化学療法や放射線治療による二次がんのリスクもあり、安全性が高く視機能を温存できるような新規治療法が求められる分野である。 今回、パーキンソン病の治療薬として開発されたCEP1347が代表的ながん抑制遺伝子p53が野生型かつ、p53上流の抑制因子であるMDM4を高発現する網膜芽細胞腫細胞に対してMDM4を抑制しp53経路を活性化することで細胞増殖抑制効果を発揮することを見出した。
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