糖尿病網膜症の病態解析を行うために名古屋大学医学部附属病院で過去に補償光学眼底カメラを撮像した患者の中から糖尿病患者225人のデータを抽出し後方視 的に診療録を確認し視力や黄斑局所網膜電図、網膜光干渉計(OCT)があるものを抽出し、初診時から最終受診時までの経過から予後に関する画像に関する因子の 解析の準備していた。 また名古屋大学医学部附属病院に、糖尿病網膜症の評価目的に初診となった患者のうちHbA1cが9%を超えるような患者に対して、OCTを撮像しOCTangiography画像 を形成し無血管野や中心の無灌流域の大小などを評価した。さらには今後フォローアップする中で増殖性変化を生じる群と生じない群とで初診時の網膜構造に差異が無いかの評価を行うことで糖尿病網膜症の予後を決定づける画像に関する因子が同定できないか検討する予定としていた。 名古屋大学眼科学教室で行っている北海道八雲町検診において先行して記録していた手持ち網膜電図の検査結果500人分を解析し、患者背景と網膜電図のパラ メータとの間に相関関係があることを見出した。今後可能であれば先行して記録した500人に対して同様の手持ち網膜電図検査を再検し、検診において同時に行 う全身的な検査の結果新たに全身合併症が生じた受診者がいれば、網膜電図の変化との間に相関関係があるかどうかを評価する予定であった。 これらの評価により糖尿病網膜症の予後を決定する因子が検出されれば、新たな治療ガイドラインや余剰な医療の容易を決めるのに有意義で重要である可能性がある。
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