研究課題/領域番号 |
19K18882
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
笠井 暁仁 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50793741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 閾値下レーザー / 糖尿病黄斑浮腫 / ナビゲーションレーザー |
研究実績の概要 |
臨床研究に関しては、今年度の段階で50名55眼に対して治療を行うことができた。微小血管瘤へのナビゲーションレーザー、びまん性網膜浮腫への閾値下レーザーを行い、改善に乏しい症例では薬物療法を併用した。視力、フルオレセイン蛍光眼底造影、眼底自発蛍光、OCT、OCT血管撮影、微小視野計を用いて治療前後の評価を行った。これまでの結果からは術前の網膜浮腫の程度がレーザー治療の効果に影響を与える可能性が示唆されている。浮腫が強い症例は閾値下レーザーへの反応が悪い例が多く早期の薬物療法の併用を検討する必要があるかもしれない。安全性については、特に眼底自発蛍光においてこれまで報告されてこなかった様々な反応が見られており他の検査と合わせてその意義を検討している。微小視野計の網膜感度に関しては閾値下レーザーによる低下は認めていない。また、これまでの報告と同様に浮腫の改善と視力の改善が必ずしも相関しないことが多かった。 基礎実験に関しては、C57BL/6マウスへの閾値下レーザーを予定していたが、マウス網膜へのナビゲーションレーザーのトラッキングが困難であり現在も調整中である。動物実験を行うことによってレーザー安全域の上限を検討し、低侵襲で効率の良い照射実験を求めていく予定であったが、これによりレーザー出力は培養細胞による生物学的な影響を検討する方向で進めている。臨床研究と合わせて評価していくことで効率性を高めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス網膜へのナビゲーションレーザーのトラッキングが想定より困難であったため。また、新型コロナウイルスの影響で来院できず脱落症例が増加したため。
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今後の研究の推進方策 |
当院に通院中の糖尿病黄斑浮腫症例の組込みを強化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
基礎実験の滞りで予定した物品を購入しなかった。基礎実験が進み次第使用していく。
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