研究課題/領域番号 |
19K18888
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
伊野田 悟 自治医科大学, 医学部, 助教 (60741098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 深層学習 / 加齢黄斑変性 |
研究実績の概要 |
錐体細胞が集中し、視力に大きな影響を与える網膜の黄斑部を撮影した光干渉断層計像を用い、視力予測と、予後視力予測を深層学習アルゴリズムの開発を行っている。光干渉断層計像には網膜の微細な構造を記録できるため、視力の予測に有効である。 また、深層学習の学習には、適正なデータ数とそれを学習するためのシステムの構築が重要である。深層学習のデータセットは昨年度開始時の510例1003眼2750撮影分から2000例3950眼8002撮影分からまで増えており、カラー眼底画像も含めて増加中である。また、画像認識分野での深層学習での学習速度に重要なGPUメモリは130 Tensor TFLOPS 、576 基の Tensor コア、24 GB GDDR6 メモリおよび107 tensor TLOPS 544基 Tensor コア 11GB GDDR6メモリの追加購入を行い、システムの改良を行った。 その結果、滲出性加齢黄斑変性の光干渉断層計画像から撮影段階の視力は93%程度の精度で予測ができ、疾患ごとにその精度が異なっている。現在その結果の解析を行なっている。 また、一部の解析結果より、光干渉断層計画像に情報が入り込みにくい中間透光体の影響が関係してると推察された。そのため、有水晶体眼か人口レンズ挿入眼かで精度差があるかを確認するために、サンプルを限定して調べたところ明らかな差が認められた。そのため、現在のデータセットに有水晶体眼か人口レンズ挿入眼かのデータ追加を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データセットの目標は10,000例20,000眼60,000撮影としており、現在の撮影済みデータは増加している。また、メモリカードも増加し、ワークステーションは高速化し学習速度も発達している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き学習用データセットを拡充する。 新規に発売されるGPUメモリ・CPUに対してコストパフォマンスを勘案し、購入を検討する。 現在までに学習させたニューラルネットワークのうち、比較的効率がよく精度の高いネットワークに更に多数のデータで学習させ、実際に学習どおりに予測できているかを確認する。学習途中の画像のヒートマップから、人工知能の焦点が集まっている因子が本当に重要な因子であるか確認を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
計算に重要なGPUは年々新しく高機能なものが発売される。 次年度に発売予定のものがコストパフォマンスが高いと判断し、次年度に繰り越す。
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