研究課題/領域番号 |
19K18902
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
福井 正樹 東京歯科大学, 眼科, 助教 (30464978)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 角膜輪部機能不全 / 間葉上皮転換 / 慢性移植片対宿主病マウスモデル |
研究実績の概要 |
慢性移植片対宿主病(cGVHD)マウスモデルおよびコントロールマウスの角膜輪部でのBone morphogenetic protein 7(BMP7)の発現を免疫染色により確認を行った。角膜上皮深層にBMP7の発現を認め、cGVHDマウスよりコントロールマウスでBMP7の発現が強い印象をうけた。当初、蛍光免疫染色による蛍光強度の違いでcGVHDマウス、コントロールマウス間でのBMP7の発現の差を評価しようと試みたが、実験毎のばらつきが大きく、角膜輪部からRNA抽出を行い、BMP7転写量の評価により検討する方針とし、角膜輪部からのRNA抽出が可能か野生型マウスからの抽出を評価した。角膜輪部を採取し、RNA抽出を行う方法ではtotal RNAの抽出量は十分であったが、角膜以外の強膜からの細胞が多く入っている可能性があり、角膜内の細胞からのRNA抽出を試みたが、こちらは解析に十分量のtotal RNAの抽出ができていない。現在、角膜輪部からRNAを抽出する方法で十分量のtotal RNAの抽出が可能かを検討している。 慢性移植片対宿主病のマウスモデルをB10.D2 GFPマウスをドナーとして用いることで、慢性移植片対宿主病の角膜輪部へのドナー細胞の浸潤経路を確認するため、移植後1週目、2週目マウスの検体の採取を行った。今後解析に使用する。 また、2年目の研究計画となるcGVHDマウスモデルおよびコントロールマウスにアルカリ外傷モデルを作成、実験が計画・技術的に可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目で①慢性移植片対宿主病の角膜輪部へのドナー細胞の浸潤経路②ドナー間葉系幹細胞移植によるレシピエント角膜上皮への影響 a.ドナー間葉系幹細胞のレシピエント角膜への浸潤 b.角膜上皮細胞への間葉系幹細胞および間葉上皮転換の関連 を評価する予定であったが、研究実績のとおり、評価の途中になっている。特に現在、新型コロナによる研究制限下にもあり、研究が中断されていることが主な原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在新型コロナによる研究制限下にあり、研究中断となっている。研究再開の時期によって研究方法・計画が変わってくると考える。 5月6日に緊急事態宣言が解除され、研究再開が可能となった際には元の研究計画に沿って中断したところから再開する。 研究再開が3ヵ月程度遅れる際には現在ある資料をもとに1年目の計画を遂行し、2年目の研究計画を慢性移植片対宿主病マウスモデルでなく、野生型マウスで可能かを検討する。 今年度の研究再開が不能な際には今後の研究を自前で行えるように機器を購入して準備することに研究費を使用し、研究計画を作成することを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度前半は研究環境立ち上げに時間がかかり、また、年度末には新型コロナ拡大に伴う研究の中断が起きた。 今後、再開されれば当初の計画通りに本研究を遂行し、変更の必要があればそれに伴い、研究遂行に必要な機器の購入を行ったり、あるいは正常マウスでの評価・研究を行うことへ研究計画を大幅に変更する必要が出てくると考えている。
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