研究課題/領域番号 |
19K18902
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
福井 正樹 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30464978)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | BMP7 / 角膜 |
研究実績の概要 |
2020年度はCOVID-19感染拡大の影響を受け、実験の進行が予定通り進めなかった。また、当初実験予定であった慶應義塾大学での慢性移植片対宿主病マウスモデルの作成が困難となり、自施設での研究を遂行した。 昨年度検討課題であったマウス角膜のBone morphogenetic protein-7発現の評価を行った。慢性移植片対宿主病モデルマウスの作成を想定し、BALB/cマウス野生型で週齢によるBone morphogenetic protein-7の発現の差があるかを検討した。5週、8週、11週ではBone morphogenetic protein-7のmRNA発現量に差は認めなかった。そこで、週齢数50-70週の高齢マウスのBone morphogenetic protein-7のmRNA発現量を確認したところ、50-70週齢では5,8,11週に比べ有意にBone morphogenetic protein-7のmRNA発現量が低下していた(p<0.05)。 この結果は臨床において角膜上皮障害の若年患者より高齢患者の方が上皮化が遅いことにも一致する結果であるといえる。この結果をもとに慢性移植片対宿主病において角膜輪部機能不全を生じる病態がマウスモデルでBone morphogenetic protein-7の発現低下に伴うものかを検討していく。また、慢性移植片対宿主病モデルマウス作成が困難な状況が続くようである際には同じく角膜輪部機能不全を生じるアルカリ化学外傷でBone morphogenetic protein-7の発現を評価することで関連を解明していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大に伴い、予定の研究が遂行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在もCOVID-19感染の拡大が続き、慢性移植片対宿主病モデルマウス作成を慶應義塾大学で行うのが困難である。したがって、研究課題からそれることにはなるが、野生型マウスの角膜でのBMP7発現を評価できたことを踏まえ、野生型マウスの角膜アルカリ化学外傷マウスモデルまた、慢性移植片対宿主病モデルマウスの作成が困難であった際にはにおけるBMP7発現を評価し、将来慢性移植片対宿主病モデルマウスに応用できるように準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大に伴う研究進行の制限ならびに研究機関の移動が困難に伴う使用機器の制限があり、予定の研究が進められなかった。 1年間の研究機関延長を申請し、本研究の主目的であるBMP7の作用を検討するために週齢によるBMP7発現の変化、野生型マウスにおける化学外傷によるBMP7発現の変化を検討する。
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