2023年度はBone morphogenetic protein-7の免疫染色法の検討を行った。角膜内でのBone morphogenetic protein-7免疫染色は賦活化条件により染色性が異なることがわかった。現在、正常マウス角膜のBone morphogenetic protein-7発現は賦活化処理により免疫染色の染色性が高まり、今後はアルカリ外傷眼と正常眼のBone morphogenetic protein-7の発現性を免疫染色でも確認を進めることになる。 また、これまでの研究結果でアルカリ外傷眼でBone morphogenetic protein-7発現の減少が角膜上皮の抽出mRNAによるPCRでしめされていたことから、アルカリ外傷眼にBone morphogenetic protein-7点眼を行う研究を行った。1N水酸化ナトリウム溶液に浸した直径2mmのろ紙を正常マウスの角膜に接触させて作成したアルカリ角膜外傷眼モデルマウスを用いて、アルカリ外傷受傷後よりBone morphogenetic protein-7点眼を1日3回点眼した眼は、生理食塩水を点眼した眼よりも上皮化が早く、角膜侵入血管が少なく、眼瞼の腫脹も起こらなかった。 これらの結果をふまえて、アルカリ化学外傷眼のBone morphogenetic protein-7の発現の免疫染色による評価と、今後は実際にBone morphogenetic protein-7点眼がアルカリ化学外傷の上皮障害の抑制、角膜炎・眼瞼縁の予防につながるかを評価していきたい。
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