形成外科領域における移植組織の血管解剖やリンパ管解剖(併せて脈管研究という)は、組織移植の成否や病態解明において非常に重要な分野である。これらの研究においては対象となる血管やリンパ管に直接造影剤を注入し、皮下におけるその走行や分布が調査されてきた。従来から脈管研究には種々の造影剤が用いられてきたが、安全性や造影効果、粘性などにおいて一長一短があった。今回我々が開発した造影剤は安全性、造影効果、粘性いずれも従来の造影剤と比較し同等かそれ以上の性質を有していることが確認された。従って、本造影剤を用いることで、安全で、より鮮明かつ簡便に脈管解剖研究が行えるようになることが期待される。
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