皮弁術におけるERK5の役割解明のため2019年に血管内皮細胞特異的ERK5ノックアウトマウスを作成し皮弁術を施行しその生着率を比較したところ、皮弁の生着率はノックアウトマウス群において有意差を持って向上が見られた。その原因を解明するため皮弁組織の組織学的検査を行ったところ術後3日目の組織においてノックアウト群で有意差を持って血管新生の向上を認めた。 2020年はさらに血管新生に関連する因子としてHIF1αのタンパク量、pERK5及びtERK5タンパク量の解析を行った。結果、術後3日目のノックアウトマウス群で有意差を持ってHIF1αタンパク量の増加を認めた。また、術後1日目のノックアウトマウス郡で有意差を持ってp/tERK5タンパク量が少ないことが確認できた。 以上よりERK5のノックアウトによりHIF1αタンパク量が増加することで血管新生が亢進することが確認できた。
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