研究課題/領域番号 |
19K18926
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
荻野 秀一 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30782396)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脂肪再生 / 吸収性材料 / ポリL乳酸 / コラーゲン / ラット / 白色家兎 / 乳癌 / 乳房再建 |
研究実績の概要 |
現在乳房再建では、主に自家組織移植、人工物(シリコンインプラント)埋植、脂肪移植が行われている。しかしながら、各々自家組織の大きな犠牲、人工物埋植による合併症、生着不良などの問題点がある。これらの問題点を解決する手段として、生体内で脂肪再生を促すことが有効であると考えている。再生医療の3要素の細胞、細胞成長因子、足場材料を用いることで脂肪再生可能であるが、生体内では、細胞、細胞成長因子は周囲組織から供給されるため、生体内での脂肪生成に最も重要な条件は長期間内腔を維持することと考えている。先行研究において生体内で内腔を1年間維持すると内腔組織が脂肪に置換される吸収性材料(外殻:ポリL乳酸で作成されたメッシュ 充填材料:コラーゲンスポンジ)を開発した。この材料は、細胞、細胞成長因子を用いておらず乳癌術後の再建にも利用可能であるのに加え、吸収性材料のみから構成されており、後日抜去不要であるため簡便な乳房再建方法になりうる。 本研究では、先行研究で開発した生体内で脂肪再生可能な吸収性材料の形態を再検討することと、長期間埋入することでの影響を検討する。2020年度までに、ラットには新たな形態検討のため、外殻にポリL乳酸で作成された多孔性カプセルの埋植と組織採取・解析を行った。白色家兎には外殻にメッシュ状、多孔性のカプセルの2種類を用いた材料を埋植し、長期埋植経過の観察を開始し、組織採取・解析を行った。ラットモデルでは1年以内にカプセル周囲に腫瘍形成されたため埋植6か月までの評価のみ可能であった。また、白色家兎モデルでは、メッシュ状の形態が多孔性カプセルより脂肪形成に優れていることがわかった。2021年度には、白色家兎モデルに埋植したサイズではなく、ラットモデルで使用した大きさがふさわしいと考え、腫瘍が発生したため検討できなったラットモデルで材料の形態の再検討を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたラットモデルでは、腫瘍形成のため1年の評価はできなかった。しかしながら、白色家兎モデルでは組織採取・解析を行い、メッシュ状のモデルの方が優れていることを解明した。しかし、白色家兎モデルで用いた材料のサイズは大きく、ラットモデルでのサイズの検討を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
ラットモデルでは、腫瘍発生したため、白色家兎での埋植実験を本研究の主実験とした。その結果、メッシュ状形態が優れた結果であった。しかしながら、より効率的な脂肪形成を目指すため、ラットモデルで用いた材料の大きさ程の材料の形態検討、埋植方法の検討を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ラットモデルの腫瘍発生による検体数・組織作成数の減少と、コロナウイルスの影響により海外での国際学会への出席が不可、国内学会への参加数も大きく減少したため、次年度使用額が生じた。今年度も、成果の発表、優れた脂肪形成を可能な方法を一層探索していく。
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