研究実績の概要 |
アペール症候群の患者2名、ファイファー症候群の患者2名より採取した肉芽組織と正常患者の皮膚切除検体余剰組織より線維芽細胞を初代培養した。(アペール症候群由来線維芽細胞:ApF1, ApF2、ファイファー症候群由来線維芽細胞PfF1, PfF2) センダイウイルスを用いて OCT3/4, SOX2, KLF4, L-MYCの4遺伝子を導入した。ウイルス感染して1週間培養した後に、Lamini511-E8 fragment(i-Matrix 511)にてコーティングしたディッ シュにリプレーティン グした。iPS細胞専用培地(StemFit)を2日おきに交換し、約3週間後に形成されてきたiPS細胞様コロニーをピックアップした。Pf1F1,PfF2,ApF1よりそれぞれ15,8,42 コロニーをクローニングすることができた。(ApF2ではiPS様コロニー出現せず) その後i-Matrix 511コーティングによるフィーダーフリー培養を継続し、継代の過程において線維芽細胞・分化細胞のコンタミネーションや分化傾向の明らかなコロニーを破棄していった結果、Pf1F1,PfF2,ApF1よりそれぞれ7,5,6株のiPS細胞状の敷石状コロニーを形成す る細胞株を確立することができた。これらのiPS細胞株は全てアルカリフォスファターゼ染色陽性かつOct4, Nanog, SOX2, SSEA4蛍光染色陽性であり、未分化能を有していると考えられた。これらのiPS細胞を用いて、報告されている複数の方法にて骨・軟骨分化誘導実験を施行したが、意図した誘導を確実に得ることができず、疾患特異的iPS細胞と正常iPS細胞の骨・軟骨分化におけるPhenotypeの相違を同定することはできなかった。
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