骨格筋はtype1線維(遅筋)とtype2線維(速筋)から構成されている。我々は陳旧性顔面神経麻痺の患者に対する表情筋再建の経験から、筋体の性質は支配神経の特性によるのではないかと推察した。 本研究では、SDラットを用いて咬筋神経-舌下神経縫合モデル、咬筋神経切断モデルを作成した。コントロール群を含めて3群で、術後2か月時点での咬筋の組織学的評価と遺伝子発現解析を行った。その結果、組織学的評価では縫合群においてtype2線維からtype1線維への形質転換を認めた。また遺伝子発現解析では縫合群においてミトコンドリアの生合成を促進するPerm1の発現亢進が確認され、仮説は支持された。
|