光音響イメージングによるリンパ流の定量的評価を行うことを目指し、シリコンチューブでリンパ管を再現したファントム試験と、ヒトを対象とした撮影を実施した。ファントム試験では、管腔の線像を3次元的に観察すると、断面は円形ではなく弧状に描出される場合が多かった。ヒトを対象とした撮影では、健常者において、周期的な集合リンパ管におけるリンパ流が観察され、その瞬間においては、流量の算出が可能であった。ただしその値は、同一リンパ管のリンパ流ごと、同一被験者のリンパ管ごと、被験者ごとにバラつきが大きく、また計測者間における算出値の再現性にも乏しく、ただちにリンパ管機能の指標として用いるには課題があった。
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