研究課題/領域番号 |
19K18936
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
柳下 幹男 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00708935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 弾性軟骨 / 間葉系組織幹細胞 / Aquaporin 1 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 |
研究実績の概要 |
弾性軟骨は耳介軟骨と喉頭蓋軟骨にしか存在しておらず、可能な採取量に限りがある。 このため、形成外科領域で治療対象となる小耳症に対して、弾性軟骨を用いた再建は実現していない。近年、患者から採取した耳介軟骨組織片から軟骨細胞を単離・培養する細胞工学的再建法も試みられているが、軟骨再生能の低さなどが原因で未だ確立していない。研究代表者は、これまでの研究で「耳介軟骨膜に存在する間葉系組織幹細胞が増殖分化することにより耳介軟骨が増生する」ことを明らかにした。さらにこの増生には、「周囲組織からの血管新生と増殖する間葉系組織幹細胞におけるAquapolin1 (AQP1)の発現が深く関与している」ことも突き止めた。この結果から、再建に用いることができる弾性軟骨の生成には、生体内の環境が必要であると考えた。本研究では、自家耳介軟骨膜細胞を皮下に埋入して周囲組織の血管新生と軟骨細胞におけるAQP1の発現を促進することにより、細胞工学的再建法では成しえていない、サイズが大きく安定した弾性軟骨組織生成が可能な動物モデルを作製することを目標とする。 AQP1の耳介軟骨膜間葉系幹細胞の形態形成における細胞外基質への接着と細胞移動の関与を検討したいと考えた。さらにこれらが今回作成する動物実験モデルにおいて、AQP1の発現の遺伝子導入を行い、軟骨増生にどのように作用するかを検討したいと考えた。 家兎を用いて、耳介から採取した間葉系組織幹細胞を培養し、自家生体内に埋入する。さらに周囲組織の新生血管と増殖軟骨細胞のAQP1の発現を促進させ、埋入した間葉系組織幹細胞からの軟骨増生を組織学的に検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、臨床での技術習得を主に取り組んでおり、研究については計画とプレ実験までしか至っていない状態であるが、実験を遂行できる方向で進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2019末から本格的に実験を進める意向であり、現在は研究に必要な情報収集を行うとともに臨床からみた、実用性のある実験計画を立てている。
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次年度使用額が生じた理由 |
この一年間は研究情報収集,実験技術習得に特化し、具体的な実験は2020年度より開始を考えているためです。
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