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2020 年度 実績報告書

WntアンタゴニストSfrp5の骨量増加機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18955
研究機関岡山理科大学

研究代表者

村上 康平  岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (60791837)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨形成 / 骨代謝 / Sfrp5 / Wntシグナル
研究実績の概要

Secreted frizzled-related protein 5(Sfrp5)はWntシグナルのアンタゴニストである。申請者はSfrp5が骨芽細胞の分化を促進し、生体の骨形成を促進することを発見した。一方、WntアンタゴニストであるSfrp5が骨量を増加させる機序は未解明である。本課題は、Sfrp5の骨への作用の詳細な分子機序を明らかにし、骨粗鬆症治療に応用するための基盤を築くことを目的とした。
①Sfrp5を添加した初代培養骨芽細胞のRNAシーケンス解析を実施し、Sfrp5によって変動するシグナル経路Aを同定した。シグナル経路Aで働く転写因子をshRNAおよび阻害薬で抑制すると、Sfrp5の作用が解消されることも確かめた。②Sfrp5と相互作用する因子を共免疫沈降により検出し、質量分析を行って候補蛋白質21個の同定に成功した。③レポーターマウス(Axin2-cre/ERT2;CAG-tdTomato)とSfrp5欠損マウスを利用して、Sfrp5が骨組織の古典的Wnt経路を制御することを確認した。④CAGプロモーター下でSfrp5を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。骨細胞・骨芽細胞への遺伝子導入と蛋白質発現を確認し、マイクロCTで8週齢の大腿骨の海綿骨量を確認したが、本モデルでは骨量に影響がみられなかった。
本課題により、Sfrp5が骨形成を促進する機序の核心に迫ることができた。ただ、Sfrp5と相互作用する候補蛋白質とシグナル経路Aの関連性について、まだ詰め切れていない。また、発生段階から全身でSfrp5を過剰発現するマウスでは骨量に有意差がみられなかったため、後天的なSfrp5過剰発現モデルマウスの構築も必要である。引き続き、研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Exome Sequencing Reveals De Novo Variants in Congenital Scoliosis2021

    • 著者名/発表者名
      Murakami Kohei、Kikugawa Shingo、Seki Shoji、Terai Hidetomi、Suzuki Takako、Nakano Masaki、Takahashi Jun、Nakamura Yukio
    • 雑誌名

      Journal of Pediatric Genetics

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1055/s-0041-1726282

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sclerostin expression in trabecular bone is downregulated by osteoclasts2020

    • 著者名/発表者名
      Masanori Koide, Teruhito Yamashita, Kohei Murakami, Shunsuke Uehara, Keigo Nakamura, Midori Nakamura, Mai Matsushita, Toshiaki Ara, Hisataka Yasuda, Josef M. Penninger, Naoyuki Takahashi, Nobuyuki Udagawa, Yasuhiro Kobayashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 13751

    • DOI

      10.1038/s41598-020-70817-1

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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