研究課題/領域番号 |
19K18956
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中積 宏之 北海道大学, 大学病院, 助教 (50735157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アセトアルデヒド / ALDH2 / 食道癌 / 頭頸部癌 |
研究実績の概要 |
頭頸部・食道癌は、同時性および異時性に発生しやすい腫瘍として知られており、飲酒と喫煙が相乗的に多発癌のリスクを高めることが知られている。口腔内細菌叢が多量のアセトアルデヒドを産生するとの報告がされているが、頭頸部・食道癌の発生および再発におよぼす影響についての検討は十分に行われていない。また、アセトアルデヒドのみならず口腔内細菌による代謝産物の影響についても解析がなされていない現状がある。そこで我々は、頭頸部・食道癌において同時性および異時性に発生するような患者の口腔内細菌叢や口腔内代謝産物が、1次発癌および2次発癌や3次発癌におよぼす影響を明らかにしたいと考えた。本研究は、口腔内細菌叢のメタゲノム解析および口腔内代謝産物のメタボローム解析を用いて頭頸部・食道癌発生および再発に口腔内フローラおよび口腔内代謝産物がもたらすインパクトを明らかにすることを目的とする。今年度は、アルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)ノックアウトマウスを用いて、アルコール、アセトアルデヒド、発癌物質を投与したモデルマウスとコントロールマウスを用いて口腔内細菌叢の解析、口腔内代謝産物の解析、各種マーカーの解析を行った。本研究の結果は口腔内細菌叢と口腔内代謝産物が、頭頸部・食道癌発生および再発にもたらす影響を明らかにする基礎的解析にとどまらず、将来的に口腔内細菌叢をターゲットにした新規治療法の開発と頭頸部・食道癌発生、進展および再発阻止に寄与する癌予防医学への貢献が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの導入およびIRBの審査に時間を有した。
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今後の研究の推進方策 |
① in vivo(ALDH2ノックアウトマウス)モデルの検討、1)口腔内細菌叢の解析、2)口腔内代謝産物の解析、3)各種マーカーの解析 ② 頭頸部・食道癌患者検体の検討、1)口腔内細菌叢の解析、2)口腔内代謝産物の解析、3)各種マーカーの解析を遂行していく
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