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2020 年度 実施状況報告書

口腔癌細胞の代謝活性と環境因子の関連をリアルタイムモニタリング法で探る

研究課題

研究課題/領域番号 19K18957
研究機関東北大学

研究代表者

森島 浩允  東北大学, 大学病院, 助教 (30825740)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード口腔がん / がん細胞の代謝 / 嫌気環境 / メタボローム
研究実績の概要

私たちはこれまでに細胞の代謝活性をリアルタイムにモニタリングするシステムを構築し、さらに環境因子の一つであるpHが口腔扁平上皮癌細胞の糖・アミノ酸代謝活性へ及ぼす影響を評価し、低pH条件下では細胞種間で代謝産物の割合に変化がみられたことなど一定の成果を得たため論文発表を行ってきた。
本課題では、これまでに確立した手法を高め、メタボローム的視点も視野に入れながら、他の様々な環境因子や抗癌剤などの薬剤による代謝活性への影響を、単一・複合因子で多角的に比較・検討し、他のがん細胞も含めた検討を行い、口腔がん特有の代謝動態を明らかにすることを目的としていたが、今年度は今まで使用してきた口腔扁平上皮癌細胞株を使用し、細胞周囲の環境を嫌気環境に置いた条件での代謝モニタリングを行っている。具体的には当研究室の嫌気ボックスシステムおよび嫌気環境での細胞培養システムを構築し細胞培養・代謝条件を割り振りながら実験を行っている。実験における代謝産物の分析に関しては当初使用を計画していたCE-TOFMSが機械の不具合のため使用停止となっているため、有機酸同定のためにLC-MSを代用して行うこととしている。まずは代謝産物をグルコースに絞ってpH7.5の条件で嫌気環境と好気環境での比較実験を行っている段階である。今後は代謝産物に関してより詳細な分析を行い、環境因子、特に酸素濃度と周囲pHががん細胞へ及ぼす影響について検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、もう少し広範な実験結果を得るところまでを想定していたが、酸素濃度の影響を評価するための新システム作りに時間を費やしていることと、酸素濃度とpH環境という2つの条件を掛け合わせた測定に時間を要しているため、この区分としている。予備実験の段階に入っているため、引き続き次年度以降にまずはグルコースを主とした実験を遂行し次年度に取り返せるものと考えている。

今後の研究の推進方策

本年度に確立した新実験システムを活用し、酸素環境条件やpH環境などの諸環境因子の影響を単一的、複合的に加えた際の影響を明らかにしていくほか、これまで用いてきた口腔扁平上皮癌のcell lineに加え、臨床に近い細胞株や他癌種なども用いて研究を進め、比較分析していきたい。また、得られた結果を、公表する準備も合わせて進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

本年度は以前より使用した細胞株と既存の機器を使用したため、新たな支出は生じなかった。
次年度の実験の際に新たな試薬や細胞株の購入が必要となった場合に支出予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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