ヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2)の増殖や糖代謝、及び2-deoxy glucose(以下2DG)感受性に対する培養時の栄養基質濃度の影響について検討した結果、本細胞は高グルコース濃度下で増殖能、糖代謝能が共に高くなり、2DGへの薬剤感受性が低下することが判明した。したがって抗がん剤使用時に糖尿病などの基礎疾患の存在下では薬剤の効果が薄れる可能性が示唆された。 本研究からがんの臨床治療における血中糖濃度の管理の重要性が示唆され、今後は効果的な抗がん剤の使用方法の確立の一助となる可能性を秘めているものと考えられた。
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