研究課題
本研究は口腔癌に対する手術・化学・放射線治療そして分子標的薬であるCetuximabが担癌宿主にどのような免疫学的変化をもたらすか、腫瘍免疫の制御に大きく関与すると考えられている制御性T細胞(Treg)に注目し、口腔癌患者において1スポットだけでなく各治療時期でのTregを細かく解析、腫瘍免疫学的に各種治療法のより効果的な適用時期を検討することを目的としたものである。初年度から続く2021年度(最終年度)の研究目標としては、臨床検体の採取・抽出を行うシステムを軌道に乗せて一定の検体数を集めること、最終的な研究成果を解析・発表することを念頭に最新の知見や発想から解析項目やその手法を再検討することであった。本研究課題採択の期間における臨床検体採取・使用について獨協医科大学病院の臨床研究審査委員会の承認はすでに得られていたが、また個々の患者の末梢血検体については残念ながら当初想定していた検体数の採取に至らず、結果を解釈できるようなデータは得られなかった。新型コロナウィルス感染症の流行状況により日常診療および臨床検体の採取や抽出・解析に大きく支障をきたしたことも影響している。その一方で、国内・国際学会への参加が困難な状況であったが、文献等の資料などを活用し研究計画に関わる最新の知見を学ぶことができた。また本研究に伴って収集した臨床病理組織学的な所見・データを用いて、本研究の主要テーマの一つである腫瘍免疫に関する含めた論文・学会発表を行うことができた。当初の研究計画を完遂することができなかったことが非常に残念であるが、本研究に際して得られた知見、成果を用いて、新規研究への課題としたいと考えている。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Investigational New Drugs
巻: 39 ページ: 846~852
10.1007/s10637-021-01062-0
Cancers
巻: 13 ページ: 5843~5843
10.3390/cancers13225843