研究課題/領域番号 |
19K18970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 有希 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30778626)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 低ホスファターゼ症 / 胎児治療 / 遺伝子治療 / アルカリホスファターゼ / 骨系統疾患 |
研究成果の概要 |
麻酔下に、胎齢15日から18日の母体マウスを開腹し、子宮膜上から作製したAAV-eMCK-ALPを胎仔の腹腔内に投与し、胎児治療を行った。その結果、治療したHPPモデルマウスは正常な体重増加が生じ、痙攣発作をなく、未治療HPPモデルマウスと比較し、治療マウスは大幅に生存率が改善した。また、血清ALP活性の上昇および大腿骨の形態不整の改善が確認された。さらに、AAVベクターの分布を確認したところ、腹腔膜および筋肉で高発現しており、肝臓などではあまり発現していないことが分かった。 次に母体の観察を行ったところ、特に異常は確認されず、仔マウス離乳後に再度、妊娠および出産が可能であった。
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自由記述の分野 |
先天性の硬組織系統疾患の病態評価、治療実験
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のHPP治療法は開始時期が出生後であるため、胎生期に症状が進行し、死産となる 症例がある。安全な胎児遺伝子治療法の確立は、このような重症例の患者を治療することができ、臨床において非常に重要な意義をもつと考える。また、遺伝子診断技術の発展により、診断可能な遺伝病は増えている。しかし、治療法がないために人工妊娠中絶を選択する症例も多い。安全性が確認された胎児遺伝子治療法の確立は、HPPのみならず、他の重篤な遺伝病における治療の可能性が期待でき、臨床において大きな意義をもつ。さらに、胎児は血液脳関門や硬組織の形成が不十分であるため、治療酵素が行しやすい。そのため、投与量の減量が可能である。
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