SphK1の高発現は強い浸潤様式を示す舌扁平上皮癌と一致する傾向がみられた。浸潤様式は、以前より臨床的に生命予後へ影響を及ぼす転移との関連性が報告されており、SphK1高発現は舌扁平上皮癌の腫瘍進展を評価するうえで重要な客観的因子となり、また生命予後を推測し得る可能性が考えられた。また、S1PRの発現は細胞により大きく異なるが、S1PR 4はSphk1と同様の高発現を認めたことから、舌扁平上皮癌患者の適切な治療選択の指標に役立ち、さらに治療抵抗性患者に対する今後の標的因子となり得る可能性が示唆された。
|