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根管治療における化学的洗浄は、機械的な根管清掃では除去困難な病原因子の排除に必要不可欠であるため、根管治療を成功に導く上で重要な意義を有する。根管洗浄の術式として洗浄針とシリンジによる洗浄が現在頻用されているが、側枝など複雑な根管形態に対してはその効果に限界があることから、新たな根管洗浄法の開発・評価は歯内療法における重要な研究課題となっている。近年ではレーザー洗浄法（laser activated irrigation：以下LAI）の有効性が注目されているが、その清掃効率や洗浄効果範囲については解析が十分とは言えず、UAI(ultrasonic activated irrigation：以下UAI)との洗浄効率の比較については見解の一致をみない。また根管貼薬に使用される水酸化カルシウム製材は根管治療間の消毒作用を有する一方、水酸化カルシウム製材の不完全な除去は根管治療の最終目的とする良好な根管充填の妨げになる可能性があり、完全な除去が望まれる。そのため本研究では、Er:YAGレーザーを用いたLAIの側枝に対する根管清掃効率に着目し、そのレーザーチップ挿入深度による側枝における洗浄効率の相違について水酸化カルシウム製材を指標としてマイクロCTで非破壊的かつ精巧に解析するとともに、洗浄効果向上のさらなる設定条件についてレーザーの照射条件を変化させた。
本実験条件下ではLAIはUAIと比較して有意に高い側枝に対する清掃効果を示し、レーザーチップの先端を側枝から一定の距離離すことで側枝に対するLAIの清掃効果は有意に減弱した。また清掃効果が減弱した位置でレーザーの出力パラメーターを変化させたところ、繰り返しパルス数では変化が認められなかったが、照射エネルギーとチップ径については清掃効果が有意に上昇した。
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