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2022 年度 実施状況報告書

唾液腺への特異的なIgA産生細胞の誘導メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18993
研究機関新潟大学

研究代表者

中島 麻由佳  新潟大学, 医歯学系, 助教 (90804542)

研究期間 (年度) 2021-11-01 – 2025-03-31
キーワード歯周炎ワクチン / sIgA / 口腔粘膜免疫 / ホーミング
研究実績の概要

口腔感染症である歯周炎対策として,細菌特異的な分泌型免疫グロブリンA(sIgA)産生を主体 とした粘膜免疫の誘導は効果的な手段の一つであるが,臨床応用可能な免疫ワクチンの開発には 至っていない。粘膜免疫システムは「抗原を認識するリンパ組織 (誘導組織) 」と「sIgAを分泌する分泌組織 (実効組織) 」から構成される。粘膜免疫の誘導・強化を図るためには,アジュバンドの最適化による誘導組織における抗原感作の増強に加え,如何に実効組織へのsIgA産生細胞の誘導(ホーミング)を効率的に行うかが鍵となってくるが,口腔粘膜免疫におけるホーミング機構の詳細は不明である。近年の腸管免疫研究において,特定の細胞接着タンパクやケモカイン受容体,それらのリガンドとの組み合わせの違いが組織指向性ホーミングを制御していることが報告された。本研究では,口腔粘膜免疫系におけるそれら組織指向性分子群の発現・局在を解析し,実効組織である唾液腺へのホーミング機構を明らかにすることで,抗歯周炎ワクチン開発の基盤的データを得ることを目的とする。
本年度は,マウス舌下へ抗原(P. gingivalis W83株)を投与した口腔感作モデル,および胃に直接投与した腸管感作モデルを作成し,実効組織である唾液腺(耳下腺・顎下腺)・腸管(小腸・大腸)における各種CCL及びインテグリンリガンド分子群の遺伝子発現を Real-time PCR法にて定量解析を行なった。その結果,唾液腺にて特異的に発現上昇する数種のCCL群を検出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は,各実効組織におけるCCL及びインテグリンリガンド分子群のタンパク発現定量解析および,唾液腺において特異的に発現誘導された分子に関する免疫組織学的解析で局在確認までを計画していたが,遺伝子発現解析までとなったため。

今後の研究の推進方策

今年度は,各実効組織におけるCCL及びインテグリンリガンド分子群のタンパク発現定量解析および,唾液腺において特異的に発現誘導された分子に関する免疫組織学的解析で局在確認までを行う。
また,上記検討にて唾液腺への特異的発現誘導が確認された各リガンドと結合する各種CCR及びインテグリン受容体の唾液腺中IgA産生細胞(CD3- B220low)における発現をフローサイトメトリーにて解析する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は,各実効組織におけるCCL及びインテグリンリガンド分子群のタンパク発現定量解析および,唾液腺において特異的に発現誘導された分子に関する免疫組織学的解析で局在確認までを計画していたが,実施できなかった。上記解析を予定していた経費を次年度にて使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Engineering of bioactive nanocomplexes on dental floss for targeted gingival therapy.2022

    • 著者名/発表者名
      Mayuka Nakajima, Nao Nakajima, Junling Guo, Samir Mitragotri
    • 雑誌名

      Bioengineering & Translational Medicine.

      巻: 8(2) ページ: e10452

    • DOI

      10.1002/btm2.10452

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular matrix degrading enzyme with stroma-targeting peptides enhance the penetration of liposomes into tumors.2022

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Ikeda-Imafuku, Yongsheng Gao, Suyog Shaha, Lily Li-Wen Wang, Kyung Soo Park, Mayuka Nakajima, Omokolade Adebowale, Samir Mitragotri
    • 雑誌名

      Journal of Controlled Release.

      巻: 352 ページ: 1093-1103

    • DOI

      10.1016/j.jconrel

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イオンジェルを用いた経粘膜局所感染制御法の開発.2022

    • 著者名/発表者名
      中島麻由佳、多部田康一
    • 学会等名
      第65回春季日本歯周病学会学術大会
  • [学会発表] Backpack結合M2マクロファージの局所投与による歯周炎抑制効果の検証.2022

    • 著者名/発表者名
      中島麻由佳、多部田康一
    • 学会等名
      第65回秋季日本歯周病学会学術大会
  • [学会発表] イオンジェルを用いた局所歯周治療法の開発研究.2022

    • 著者名/発表者名
      中島麻由佳、多部田康一
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2022年度秋季学術大会(第157回)
  • [学会発表] Local delivery of Backpack-bound M2 macrophages -Cellular immunotherapy against periodontitis-.2022

    • 著者名/発表者名
      Mayuka Nakajima, Koichi Tabeta
    • 学会等名
      108th Annual Meeting of the AAP
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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