塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)製剤が上市されたが,その適応症は限定的である。そこで,コラーゲン結合ドメイン(CBD)とbFGFから成る融合タンパク質(CBFGF)を用いて,組織再生効果を高めることを考えた。本研究では,CBFGFの機能を詳細に検討した上で,化学架橋によってCBDとbFGFを連結することを試みた。まず,ラットモデルを用いて,CBFGFが組織中へ滞留し持続的に活性を発揮することを示した。また,架橋剤によって作製した架橋型CBFGFは,組換融合型CBFGFと比較して分子量が大きかった。bFGFとCBDの架橋反応比率や反応効率について,さらに研究を進める必要がある。
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