研究実績の概要 |
近年、歯周炎と全身疾患との関連性が注目を集めてきている。申請者はこれまで歯周炎と糖尿病の関連性に着目し、双方の病態がどのような形で関連しているか の検討を行ってきた。本研究では、歯周炎において歯周組織で発現の増加が認められるhigh mobility group box-1 (HMGB1)と、糖尿病の重要な因子であるAGEの 受容体receptor for AGEs (RAGE)に着目し、その関連性を評価することで両疾患の病態改善及び新規治療法の開発を行うことを目的とした。 令和2・3年度は、第3段階として、前年度までに行なっていた歯周炎ー糖尿病モデルマウスを用いたin vivoでの評価を発展させin vitroにおいてマウス歯肉線維芽細胞及びヒト歯肉線維芽細胞に対してglycyrrhizinがHMGB1をはじめとした炎症性サイトカインに与える影響を評価した。 glycyrrhizinを作用させた際の炎症性サイトカイン発現について、マウス歯肉線維芽細胞に菌体を直接作用させた際に、glycyrrhizinを添加していない対称群と比較して、添加した群ではIL-6, TNF-αのmRNA発現量が有意に減少した。同様にヒト歯肉線維芽細胞においてLPSを作用させた際にも、対称群であるLPSのみ作用させた群と比較して、glycyrrhizinを添加してLPSを作用させた群では炎症性サイトカインであるIL-6, TNF-αのmRNA発現量が有意に減少している事をReal-time PCRにて明らかにした。
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