本研究課題では、歯周病原細菌の刺激により歯周組織におけるHuRおよびエクソソーム産生量が変動するかを検討した。 1)HuRはmRNAの安定化に関与するタンパク質である。歯肉上皮細胞中のHuRは歯周病原細菌の刺激により上昇した。また炎症性サイトカインであるIL-6上昇も認めた。歯周炎マウスの歯周組織においても同様の結果を認めた。 2)エクソソームは細胞から分泌される直径40nmから100nmの小胞であり、唾液、血液などの体液中に認める。歯肉上皮細胞が放出するエクソソーム量は歯周病原細菌の刺激により上昇した。エクソソームを精製し、歯肉上皮細胞の培養下に添加したところ、炎症性サイトカインの上昇を認めた。
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