研究課題/領域番号 |
19K19003
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
勝俣 愛一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60779891)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 白金ナノコロイド / 1ステップアドヒーシブ / 脱灰象牙質 |
研究実績の概要 |
象牙質至適処理方法の検討を行った。健全象牙質に対し白金ナノコロイドとリン酸の混和液の白金ナノコロイド濃度を100%、10%に分類し処理時間を5秒、1秒としせん断接着強さを測定した。100%は5秒19.77±3.64Mpa、1秒24.71±4.50Mpa 。10%は5秒17.30±2.63Mpa、1秒23.03±3.32Mpaとなった。前年度データと合わせ100%において処理時間で比較すると1秒が有意に高い値を示した。10%においては10秒、5秒、1秒すべての条件間に有意差を認め1秒が最も高い値を示した。次に処理時間ごとに比較すると5秒においては100%、10%、1%すべてに有意差は認めなかった。1秒においては1%が他と比較し有意に高い値を示した。 脱灰象牙質においてはすべて新たに測定した。前処理なし、リン酸のみ、白金ナノコロイド濃度100%、10%、1%に分類し、濃度別3条件においては処理時間を10秒、5秒、1秒に細分類した。せん断接着強さは前処理なし12.32±3.06Mpa、リン酸のみ10.22±3.41Mpa、100%は10秒13.12±3.66Mpa、5秒12.84±4.01Mpa、1秒15.15±1.16Mpa。10%は10秒12.33±2.37Mpa、5秒12.10±2.98Mpa、1秒15.27±1.72Mpa。1%は10秒14.94±2.14Mpa、5秒11.49±5.57Mpa、1秒19.58±3.27Mpaとなった。処理時間の比較では10秒においてはリン酸のみと1%間にのみ有意差を認めたが、5秒においては100%、10%、1%すべてに有意差は認めなかった。1秒においては1%が他と比較し有意に高い値を示した。また100%条件においては処理時間による有意差を認めず、10%・1%条件においてはいずれも1秒と5秒の間に有意差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では2年間の研究期間のうち、初年度に短期接着条件で健全・脱灰象牙質に対して白金ナノコロイドを1ステップアドヒーシブと共に表面処理剤として使用する際の至適条件を明らかにし、その結果をもとに最終年度に長期耐久性の検討を行う予定であった。しかし、特に脱灰象牙質における至適条件の検討に時間を有した。今年度は歯面処理のバリエーションを増やし、再検討を行い短期接着条件のデータをまとめるとともに、長期耐久性の検討にむけ準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
期間延長を行い最終年度となる次年度は、使用する実験機器の整備も無事完了したので当初の予定通り、長期接着耐久性の評価へと移り、またこれまでにまとめたデータをもとに論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度時点で当初の研究計画から遅れており、このたび研究期間の延長申請を行った。それに伴い次年度使用額が生じた。引き続き研究を進め次段階の研究のための試薬・歯科材料等の購入などに用いる
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