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2020 年度 実施状況報告書

リバスクラリゼーションにおける微小環境の解明:なぜ象牙芽細胞が分化しないのか

研究課題

研究課題/領域番号 19K19020
研究機関新潟大学

研究代表者

枝並 直樹  新潟大学, 医歯学系, 助教 (80804567)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードリバスクラリゼーション / 根尖性歯周炎 / オステオデンティン / セメント質 / 歯根膜
研究実績の概要

本研究は、リバスクラリゼーションで象牙芽細胞が分化しない原因の特定を目指している。本研究の第一段階では、リバスクラリゼーションの治癒形態は根尖部組織残存量に大きく依存することが示され、Sientific Report(edanami et al. Sci Rep. 2020:20967.Impact of remnant healthy pulp and apical tissue on outcomes after simulated regenerative endodontic procedure in rat molars)にその成果が掲載された。また本研究の第一段階の結果からは、根管内で歯髄細胞が形成したオステオデンティン上に歯根膜細胞がセメント質様硬組織を形成する可能性、およびヘルトビッヒ上皮鞘が根管内骨形成を防いでいる可能性が示唆された。本年度は、このメカニズムをより詳しく解明するために、カルセインを用いた硬組織形成動態の経時的な観察と、複数の週齢ラットによるリバスクラリゼーション実験を行った。カルセインを用いた実験では歯髄細胞と歯根膜細胞が根管内で個別に硬組織を形成していることが示唆された。また、根尖が概ね閉鎖した週齢のラットにおいても根管内骨形成が観察され、ヘルトビッヒ上皮鞘の根管内骨形成阻止作用についてはさらなる検討が必要であった。これらの結果はリバスクラリゼーション後に象牙質形成を誘導するための戦略を検討して行く上で重要な所見である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究からはリバスクラリゼーションの治癒形態が根尖部組織残存量に依存するという重要な所見が得られたが、オステオデンティン様組織の形成を防ぎ、象牙質形成を誘導するための成長因子、細胞外マトリックスを特定するという当初の目的には達していない。研究の遂行過程において、当初の目的達成のためにはリバスクラリゼーションの治癒メカニズム解明が先決であることが判明し、現在、早急に取り組んでいる。結果として、当初の計画計画からは遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

リバスクラリゼーションの治癒メカニズム解明が概ね進んできたため、次年度はオステオデンティンが形成される条件に絞って、各種成長因子、細胞外マトリックスが象牙質形成に与える効果を検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症に伴う、防護着の不足で十分な動物実験が行えなかった。また当初予定していなかった機器の故障もあり、次年度まで延長することが不可避となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Impact of remnant healthy pulp and apical tissue on outcomes after simulated regenerative endodontic procedure in rat molars2020

    • 著者名/発表者名
      Naoki Edanami, Kunihiko Yoshiba, Mari Shirakashi, Razi Saifullah Ibn Belal, Nagako Yoshiba, Naoto Ohkura, Aiko Tohma, Ryosuke Takeuchi, Takashi Okiji, Yuichiro Noiri
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10(1) ページ: 20967

    • DOI

      10.1038/s41598-020-78022-w.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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