本研究では、中等度~重度の広汎型慢性歯周炎患者52名に対し、手用スケーラーまたはEr:YAGレーザーを用いたSRPを実施し、SRP時に発生する菌血症、それに伴う生体応答の解析、およびそれら変化に対するEr:YAGレーザーの有効性を検討した。 その結果、両群において歯周ポケット深さを始めとする臨床パラメータの有意な改善を認めた。また、SRP後の体温の上昇傾向が両群に認められ、血清中バイオマーカーにおいては、手用スケーラー群でコルチゾールの上昇傾向を認めた。以上より、Er:YAGレーザーを用いたSRPは生体への侵襲が少なく、手用スケーラーと同程度に臨床パラメータを改善させることが示唆された。
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