本研究では、S. mutansおよびE. faecalisを対象とし、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、ホウ酸イオン、およびフッ素イオンの抗菌成分に対する耐性獲得の有無について検討を行った。その結果、E. faecalisはクロルヘキシジンへの連続暴露により耐性を獲得することが明らかとなった。さらに、E. faecalisのクロルヘキシジン耐性株では、DNA転写や細胞のストレス応答に関連する遺伝子の発現上昇、およびtRNAのアミノアシル化に関連する遺伝子の発現低下が認められ、それらの遺伝子発現の変化がクロルヘキシジンに対する耐性獲得に関与している可能性が示唆された。
|