抜歯後に顎骨の骨吸収が高度に進行している症例は多く、特に歯周疾患を伴う歯の 抜歯の際は歯槽骨の吸収が著しい。骨吸収が進行した顎骨に歯科用インプラントを用いるべく骨造成術による骨形態の回復が必要とされる。しかしながら、骨補填材は被包化され長期に残留し、再生を阻害している可能性が指摘されている。近年では骨への置換を期待し、細胞・細胞増殖因子等を骨補填材と併用することが多くなっており、再生に関わ る因子を活かすための骨補填材への新しい視点からのアプローチが必要である。 骨欠損に対してリン酸カルシウムを用いた顆粒をイヌ顎骨に充填したところ、従来の報告及び自然治癒郡と比較してより組織学的、組織形態学的に大規模かつ良好な骨形成を認めた。大型動物での良好な骨形成が認められたことから、臨床的にも萎縮した顎骨の顎堤形態に対しさらなる有効性が今後示すことができれば歯科領域での骨再生医療の発展に大きく貢献することが期待される。
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