研究実績の概要 |
これまでに角化粘膜の存在とインプラント周囲組織の健康状態との関連性に関する研究は数多く報告されているが,いまだ明確な結論は得られていない. その原因として, 交絡因子の調整が行われていないことが挙げられる. そこで, 私は交絡因子を考慮するため, 多変量解析を用いて角化粘膜とインプラント周囲組織の健康状態との関連性について研究し, 学会発表を行なってきた. その研究成果を, Journal of Prosthodontic Researchに投稿し, Acceptされた. (Title: Evaluation of the effect of keratinized mucosa on peri-implant tissue health using multivariate analysis) さらに, 角化粘膜がインプラント周囲組織に及ぼす影響を真に評価するためには, 縦断的な研究が必要と思われる. そこで, 本研究期間内において, インプラント上部構造装着時(T1)をベースラインとして, 周囲骨の変化が大きいことが予想される上部構造装着後1年(T2)に臨床的評価を行い, ConeBeamCTによる頬舌的な骨吸収も臨床的パラメーターとして追加し、多変量解析を用いて角化粘膜の存在がインプラント周囲組織に及ぼす影響を明らかにしようと現在研究に励んでいる. 2019年11月には補綴学会関西支部学術大会にて、角化粘膜がインプラント体頸部骨吸収に及ぼす影響に関して研究発表を行った. 今後も研究成果を学会で発表し, 早期に論文を投稿する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多変量解析を用いて定期検診で来院されている患者を対象に, 角化粘膜とインプラント周囲組織の健康状態との関連性について研究し, その研究成果を, Journal of Prosthodontic Researchに投稿し, Acceptされた. (Title: Evaluation of the effect of keratinized mucosa on peri-implant tissue health using multivariate analysis) 縦断研究に関しても, インプラント上部構造装着時(T1)と上部構造装着後1年(T2)の臨床的評価を予定通り行っており, 2019年11月に補綴学会関西支部学術大会にて、角化粘膜がインプラント体頸部骨吸収に及ぼす影響に関して研究発表を行った.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は主に, 上部構造装着後1年(T2)の臨床的評価を行い, その研究成果を学会で発表し, 早期に論文投稿する予定である. ただ, 現在コロナウィルスの影響により被験者の来院が困難で, 臨床的評価ができない状況である. コロナウィルスが収束次第, 臨床的評価を再開し可及的多くのデータが取れるよう努めていく. また, 予備実験としてConeBeamCTの精度や正確度の検証を行うことが望ましいため, 模型実験も並行して行なっていく予定である.
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