研究課題/領域番号 |
19K19069
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横井 美有希 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (90826869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | FGF / FGFR |
研究実績の概要 |
本研究では、インプラント周囲炎により生じた骨欠損に対して、局所的なシグナル阻害により骨再生を促進する組織再生療法を開発することを目的としている。 これまでの組織再生療法では、成長因子/サイトカインの添加が主なアプローチであったが、本研究では、生体内で抑制的に働いているシグナルに焦点を当て、細胞実験を行っている。 現在、歯周組織再生剤として使用されている線維芽細胞増殖因子(FGF)2およびFGF受容体(FGFR)シグナル阻害剤が間葉系細胞に与える影響について検討している途中である。これまで、マウスおよびラットの大腿骨から骨髄細胞を採取し、継代培養により実験に必要な量の細胞を確保することが出来た。細胞実験では、FGFR阻害薬(AZD4547,abcam)を使用して行った。継代培養した間葉系幹細胞(P4-6)を、FGFR阻害薬を添加(100nM/L)した骨分化誘導培地で培養を行いALP活性を測定したところ、無添加群よりもALP活性が低下することが明らかとなった。また、FGFR阻害薬を添加した標準培地で培養した結果、TRACP活性が有意に低くなる事が明らかとなった。 次に、FGFR阻害薬の添加時期について検討するために、骨分化培地で7-14日培養した。FGFR阻害薬添加した培地で7日間培養した場合、無添加群と明らかな差はなかった。しかしながら、FGF阻害薬添加培地で14日間、FGFR阻害薬を7-14日の間に添加した場合では、無添加群と比較してこれらの群で石灰度が高い傾向にあった。 以上の結果から、FGFR阻害薬の添加時期により石灰化に与える影響が異なることが明らかとなったので、今後、検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の実験計画では、本年度は動物実験を行っている予定であったが、細胞実験の結果さらなる細胞実験の検討が必要であると考えられるため、現段階では、動物実験を行うことが難しい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から、FGFR阻害薬の添加時期による細胞への影響の違いが明らかとなってきたが、動物実験を行うためには不明な点が多いため、研究期間の延長を行い細胞実験を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度は動物実験を行う予定で計上していたが、実験計画の遅れのため動物実験を行うことが出来なかったため繰越すこととなった。次年度は細胞実験を継続して行い、可能であれば動物実験も行う予定である。
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