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2019 年度 実績報告書

細胞封入カプセルから持続分泌されるGDNFによる根尖歯周組織再生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K19072
研究機関九州歯科大学

研究代表者

宮下 桂子  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50636264)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード細胞封入カプセル / GDNF
研究実績の概要

本研究の目的は、既に脳神経外科領域や眼科領域で確立され臨床治験が行われている神経成長因子(GDNF)を恒常的に分泌する細胞を封入した微小カプセルによるEncapsulated Cell Biodelivery (ECB)技術を用い、持続分泌されるGDNFが根尖歯周組織を構成する細胞の生存・機能 発現の維持に与える影響を検討することである。
はじめに、培養開始直後および6か月後にGDNF分泌カプセルから培地中に分泌されるGDNF分泌量をELISA法を用いて測定し、持続的なGDNFの分泌の確認を行った。次に、根尖歯周組織を構成するヒトセメント芽細胞の生存能に対する、カプセルから分泌されたGDNFの影響をcell viability assayにて検証した。0.1%FBS含有培地でGDNF分泌カプセルとヒトセメント芽細胞を7日間共培養したところ 、カプセルの存在する共培養群では生存細胞数は有意に増加していた。さらに共培養系にGDNF阻害剤を加えて阻害実験を行ったところ、GDNFの阻害剤の存在下では生存細胞数は減少していた。
以上の結果は、GDNF分泌カプセルから持続的に分泌されるGDNFがヒトセメント芽細胞の生存能に影響を与えることを示唆している。
現在、根尖病変周囲の健全組織からの細胞誘導や外部からの細胞移植による組織再生が試みられているが、細胞誘導・移植の前提として、広範な組織欠損という過酷な環境において誘導・移植された各種細胞の生存を維持させる必要がある。本研究に用いたGDNF分泌カプセルは、根尖組織欠損部への長期的な成長因子デリバリー法として用いることができると考えられる。さらには、カプセル内の細胞はGDNF以外の成長因子を分泌する細胞に変更できることから、このシステムを確立することで、新たな根尖歯周組織再生療法へと発展させることができると考えられる。

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公開日: 2021-01-27  

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