研究課題/領域番号 |
19K19080
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 (2022) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2020-2021) 関西医科大学 (2019) |
研究代表者 |
藤田 恭平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (10835383)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 味蕾 / 幹細胞 / scRNA-seq / オルガノイド / 細胞系譜追跡 |
研究成果の概要 |
舌表面にある味蕾は味覚感知に必要不可欠なものであるが、生理的な条件下でのその維持機構は未だ不明である。本研究では、舌上皮細胞のscRNA-seqと多色細胞系譜追跡により、味蕾幹細胞の探索、解析を行なった。舌上皮細胞を単離し、scRNA-seqを行なった結果、遺伝子Xを新規味蕾幹細胞マーカー遺伝子として同定した。 また、遺伝子X陽性細胞の系譜追跡から舌上皮基底部から味蕾へのクラスター形成を確認することができた。さらにこの細胞を単離し、マトリゲル内で培養することでオルガノイドを形成させることにも成功した。以上から、舌上皮基底部に存在するX陽性細胞が、味蕾形成のための幹細胞であることが明らかとなった。
|
自由記述の分野 |
発生生物学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
味覚障害に悩まされる患者は年間約20万人を超える。その原因は様々であるが、抗がん剤の副作用などによる味蕾の障害によるものが多いことも知られている。味蕾は味覚を完治する数種類の味細胞を含んでいるため、味蕾の再生は味覚障害の治療法の一つになり得る。味蕾の再生には、元となる幹細胞が重要であるが、これまでその存在は知られてこなかった。本研究によって舌上皮に存在する幹細胞を新規に同定し、またその幹細胞由来のオルガノイドの形成に成功した。今後はこのオルガノイドを用いた、移植などの味覚障害の再生治療法の確立が進むと考えられる。
|