本研究は,2型糖尿病患者の部分床義歯装着後の歯周組織の経時的変化を多角的に評価することで,長期的予後を含めた治療指針を導き出すことを目的とした.2型糖尿病の患者群の支台歯は健常群と変わらず良好な生存率を示した.一方で,歯槽骨評価では,歯周安定期治療下でも2型糖尿病患者の義歯床下歯槽骨の頂部に骨密度および骨レベルの減少が確認された.骨動態に関してさらなる基礎研究が必要であるものの,2型糖尿病患者でも適切な管理のもとであれば長期的な支台歯の維持が可能であるという示唆を導いた.また,採集したデータでCox回帰分析を行い,部分床義歯支台歯の長期生存に関する予測因子の解析を実施した.
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