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2019 年度 実施状況報告書

コンジョイント分析を応用した無歯顎補綴の医療技術評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K19087
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

宮安 杏奈  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70824267)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードコンジョイント分析 / 全部床義歯 / インプラントオーバーデンチャー / 患者選好
研究実績の概要

高齢社会において、無歯顎補綴は従来の全部床義歯のみならず、インプラントを併用して機能面を向上させることが可能なインプラントオーバーデンチャーという治療法も確立されてきた。しかしながら、歯科用インプラントは費用が高額であることや外科的侵襲を伴うといった欠点もある。治療方法選択の際、このような治療の利点欠点は患者の意思決定を困難とさせている。マーケティング分野において広く使われているコンジョイント分析が、近年、医療分野にも応用されつつあり、患者の選好や意思決定に関する研究の幅を広げている。本研究ではこのコンジョイント分析を応用し、無歯顎患者が補綴治療を選択する際に、治療費、咀嚼しやすさ、快適性、清掃性、審美性、といったパラメーター(属性)をどの程度重視しているかを検証する。コンジョイント分析に際し、まず無歯顎補綴治療の患者満足度に影響するであろう因子を属性として抽出し、各属性について水準を設定する必要がある。それをもとに設問(アンケート)を作成し、被験者の回答からコンジョイント分析を行って、各属性が患者選好にどの程度影響を与えているか解析を行う。
本研究では被験者約60名に対し、コンジョイント分析に基づくアンケートを行う予定である。2019年度はアンケート作成のためのパラメーター(属性)およびその水準の抽出を行うため、全部床義歯やインプラントオーバーデンチャーに関する過去の文献のレビューを行った。費用属性以外の属性とその水準の設定は終了している。費用属性に関する水準の決定は文献レビューでは困難なため、専門歯科医師によるデルファイ法を用いて、統一見解を得る予定であるが、現時点ではデルファイ法の準備段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コンジョイント分析は属性の抽出と水準の設定や設問内容によって、結果が大きく左右される分析であるため、これらの過程は慎重に行っていく必要がある。そのため2019年度はコンジョイント分析に関する文献や全部床義歯やインプラントオーバーデンチャーに関する論文の文献レビューを中心に行い、義歯安定性、咀嚼しやすさ、清掃性、審美性、疼痛、治療回数と期間を属性として抽出し、各属性の水準を決定した。しかしながら文献レビューだめでは決定することが難しい費用属性の水準の決定が遅れている。今後は早急にデルファイ法を実施し、費用水準の決定を行い、アンケートを作成していく必要がある。

今後の研究の推進方策

引き続きデルファイ法による費用属性の水準設定を行い、アンケートの内容を決定する。それと当時に本学歯学部倫理審査委員会における承認を得るための書類準備および、承認完了までを行う。その後に、本研究参加のリクルートを行う予定であるが、過去の当分野の研究参加患者で定期的にメインテナンス等で本学歯学部附属病院に通院している患者に対して、リクルートを行うため、リクルートに時間を要さず、アンケート実施しが遂行できる。2020年度中にはアンケートが実施できるよう進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コンジョイント分析のアンケート実施のためのノートパソコンを未購入出ること、参加を予定していた学会等に参加できなかったこと、およびデルファイ法の実施が遅れており、謝金支払いが発生していないことにより次年度使用額が生じた原因である。ノートパソコンの購入はアンケート内容とアンケートの実施方法が決定したのちに適した仕様の物を購入する予定である。また、2020年度は資料収集および経過報告のため積極的に学会へ参加して、知見を聴取すると同時にデルファイ法を早急に実施したいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Masticatory Function of Immediately Loaded Two-Implant Mandibular Overdentures: A 5-year Prospective Study2019

    • 著者名/発表者名
      Maiko Iwaki, Manabu Kanazawa, Daisuke Sato, Anna Miyayasu, Shunsuke Minakuchi
    • 雑誌名

      The International journal of oral & maxillofacial implants

      巻: 34(6) ページ: 1434-1440

    • DOI

      10.11607/jomi.7565

    • 査読あり
  • [学会発表] 下顎即時荷重2-IODにおける骨吸収量,生存率および合併症-5年経過報告-2019

    • 著者名/発表者名
      島田亮,金澤学,宮安杏奈,浅見茉里,根來大幹,上原容子,Awutsadaporn Katheng, 佐藤大介, 春日井昇平,水口俊介
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会第128回学術大会
  • [学会発表] Complications of Immediate Loading of Two-implant Mandibular Overdentures: 5-year prospective study2019

    • 著者名/発表者名
      Maiko Iwaki , Manabu Kanazawa, Anna Miyayasu, Thuy Vo Lam, Khaing Myat Thu, Mari Asami, Ryo Shimada, Masatoshi Negoro, Awutsadaporn Katheng, Sai Tun Naing, Yoko Uehara, Yuriko Komagamine, Daisuke Sato, Shohei Kasugai, Shunsuke Minakuchi.
    • 学会等名
      ICP/EPA 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 下顎シングルインプラントオーバーデンチャーにおける咀嚼能力:2年経過報告2019

    • 著者名/発表者名
      浅見茉里, 宮安杏奈, 金澤 学, 駒ヶ嶺友梨子, 岩城麻衣子,水口俊介
    • 学会等名
      日本咀嚼学会第30回記念学術大会
  • [学会発表] 磁性アタッチメントを用いたインプラントオーバーデンチャーにおける即時荷重と通常荷重の咀嚼能力の比較2019

    • 著者名/発表者名
      渡辺昌崇,金澤学,宮安杏奈,島田亮,根来大幹,上原容子,佐藤大輔,佐藤佑介,水口俊介
    • 学会等名
      第29回日本磁気歯科学会学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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