研究課題/領域番号 |
19K19088
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北見 恩美 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (00834772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 顎関節 / 老化 / プライマリーシリア |
研究実績の概要 |
顎関節を構成する下顎頭軟骨は咬合力等の機械的負荷に対する緩衝材としての役割を持つ。しかしながら、加齢に伴い保水性、粘弾性をもつ細胞外基質プロテオグリカンの産生が減少し関節軟骨の緩衝能が劣化することが示唆されている。申請者らはこれまでプライマリーシリア(以下シリア)が下顎頭軟骨の恒常性維持過程において細胞外基質の産生に必要であることを明らかにしている。本研究は、細胞外基質の産生減少を伴う下顎頭軟骨の老齢変化とシリアが関連しているとの仮説のもと、老齢マウスを用いてシリアを介した下顎頭軟骨の老化メカニズムを解明することを目的とし、加齢に伴うシリア発現の変化および、発現変化の原因となる遺伝子の探索を行っている。 昨年度までに、加齢に伴う関節軟骨の形態変化と軟骨細胞成分および細胞外基質の減少を明らかにしている。本年度は、5週齢から78週齢のマウスから顎関節組織を採取し、顎関節軟骨組織におけるシリアの発現を観察した。若年マウスの軟骨細胞にはシリアが発現しているが、老齢マウスではシリアが消失している軟骨細胞が多数観察される。 加齢に伴い、シリアの発現が異なることから、5週齢から78週齢の各週齢においてシリア発現と消失に関わる遺伝子のスクリーニングを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年8月から2020年4月まで産前産後休暇、育児休暇を取得していたため、その間の実験が出来ず、予定より進捗状況はやや遅れている。 しかしながら、計画より早く老齢マウスのサンプリングが完了しているため、今後は随時解析を進めることができる。
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今後の研究の推進方策 |
加齢に伴いプライマリーシリア(以下シリア)の発現に変化がみられることから、シリアの発現、消失に関わる遺伝子を中心とした遺伝子発現変化をRNAシーケンスにてスクリーニングする。 上記スクリーニングにて、老化過程におけるシリア発現の変化が、シリア形成系のタンパク質に起因するか、消失系に起因するか明らかにすることが出来る。これにより、加齢におけるシリア発現変化のメカニズム解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
産休、育児休暇を取得したため研究に遅延が生じており次年度への延長申請を行った。 次年度使用額予算は、老齢顎関節の解析に必要な老齢マウス、解析試薬、RNAシーケンス費用としての使用を計画している。
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