認知症や脳血管疾患等で生じる運動障害性咀嚼障害は,一般的な咀嚼・嚥下機能検査での診断が難しく,介護現場で広く使用できるスクリーニングツールもない.今回,我々が開発した咀嚼・嚥下運動評価プログラムを活用すれば,医師・歯科医師が常駐していない老人介護施設や病院,在宅環境でも,運動障害性咀嚼障害や摂食嚥下障害のスクリーニング診断が実装できる可能性がある.さらに,将来的に遠隔医療支援システム等を介してその結果の妥当性を常に専門医がチェックできる体制が構築できれば,国民の健康向上に資する新たな医療システムを創造できると考えられる.
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