研究課題/領域番号 |
19K19095
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和智 貴紀 九州大学, クラウンブリッジ補綴学分野, 共同研究員 (00778863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インプラント周囲炎 / チタンイオン / メインテナンス |
研究実績の概要 |
口腔インプラント(以下,インプラント)の代表的な材料として用いられるチタンは高い生体 安定性を誇るが, 酸性環境下においてフッ素化合物(以下,フッ化 物)に暴露されると,チタン表面の不導体膜が破壊・腐食されることは広く知られている. 本研究では,インプラント周囲炎と歯周炎に罹患した天然歯とが同一口腔内において混在している状態を想定して実験を行う.チタン製アバットメントやインプラント体から溶出したチタンイオンが,インプラント周囲炎に罹患した組織から検出される細菌が産出する内毒素 (以下,LPS)と連動して,インプラント周囲組織,特に骨組織にどの様な影響を与えるかを解析することを目的とする.初年度は,種々のLPSが歯周組織に与える影響をチタンイオンが変化させるかについてin vitro的解析を行なってきた.歯周組織の構成要素であるマウス由来歯根膜細胞様細胞株やマウス由来線維芽細胞用細胞株の培養上清に種々のLPS溶液または/およびチタンイオンICP標準液を添加した場合の細胞形態を観察した.加えて,MTA-assay,Real-time RT-PCR法およびELISA法を行い,細胞の増殖率,炎症性サイトカインや骨代謝関連遺伝子発現の変化を検討してきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,初年度に細胞実験に加えて,次年度に使用する予定モデルラットの作製を手がける予定であったが,その内容を遂行できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に続いて,チタンイオンとインプラント周囲炎に罹患した組織から検出される種々の細菌が産生する LPS とが共存するインプラント周囲骨における遺伝子発現変化を動物実験を用いて検討していく. 加えて,チタン表面を損傷せずに,可及的にプラークコントロールを行うメインテナンス方法についても検証していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究内容遂行に遅れが生じ、今年度に行う予定であった実験内容を次年度に持ち越すことになったため。
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