研究課題
若手研究
イオン液体を添加した歯科用セメントの基礎研究を行った。本セメントは微弱な通電により接着強さを低減できる。イオン液体の添加による細胞毒性への影響を調査したところ,検討した2種のイオン液体については条件次第で細胞生存率は増加した。また,通電による接着強さ低下のメカニズムには接着界面における気泡発生や腐食が関与していることが推測されるデータが得られた。
接着歯学
歯科用セメントに関する学術研究はそのほとんどが「接着」に着目しているが,本研究では歯科臨床で必要とされるスマートな「除去」に焦点を当てたものであり,学術的独自性は高い。今回得られた成果により,本セメントの生体親和性や接着強さ低下のメカニズムについて良好なデータが得られており,将来的な歯科臨床での応用に向けて前進したと言える。