研究課題/領域番号 |
19K19121
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
米田 博行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90709122)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 咀嚼能力 / 食品摂取状況 / 身体機能 / 歯列交換期 |
研究実績の概要 |
小児期の咀嚼機能の発達不全が,成人期の咀嚼機能の低下を招き,高齢者における疾病等による咀嚼機能障害を重篤化する要因となることから,小児の咀嚼機能の発達,特に咀嚼運動様相が小児のタッピングから成人のグライディング主体へと変化する歯列交換期の咀嚼機能を客観的に評価し,その影響因子を研究が重要であるが,その報告は非常に少ない.また,学齢期の食生活指導はその成長段階により摂取できる食形態が変化するため,その段階に合わせて行う必要がある.側方歯群交換期には咀嚼能力の低下が見られると指摘されているが,その時期の咀嚼能力や食品摂取状況に関してはほとんど明らかになっていない.これらのことから,本研究では,側方歯交換期を含めた歯列交換期における摂取可能食品と咀嚼能力との関連性,ならびに食品摂取状況が咀嚼能力の発達に及ぼす影響について小学校で行われている学校歯科検診,咀嚼機能検査,身体機能測定および摂取食品状況のデータを基に統計学的検討を行うこととした. 今年度,兵庫県のたつの市の一カ所にある小学校の4-6年生の児童312名を対象に実施された,学校歯科検診の歯式からHellmanの歯齢を決定し,咀嚼能力測定用グミゼリー(UHA味覚糖)およびキシリトール咀嚼チェックガム(ロッテ)による咀嚼能力検査,プレスケールⅡ(ジーシー)による咬合力検査,握力測定,5mの最大歩行速度,摂取食品状況アンケートのデータの収集を行った. その結果,歯齢によりグ咀嚼能力測定用グミゼリーとキシリトール咀嚼チェックガムの咀嚼能力発達の違いと,咀嚼能力と身体機能との関連に違いがある傾向が示唆された. 今後,追加データを収集し,咀嚼能力の影響因子,咀嚼能力と食品摂取状況との関連および身体的発達、咀嚼能力と運動能力との相互関係について詳細に検討を行なっていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の11月から12月にかけて,兵庫県たつの市の某小学校にておいて,歯科検診および咀嚼機能検査,身体機能検査が実施され,アンケートにより摂取食品状況の聞き取りが行われた.学校歯科医との検討により今年度からプレースケールによる咬合力検査も実施された.これらのデータを収集し,匿名化し,分析可能な状態にデータ化し,解析を行った.
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今後の研究の推進方策 |
本年度も兵庫県のたつの市の某小学校を対象とした咀嚼能力,身体能力の測定および摂取食品状況の調査データの収集を行い,歯列交換期における咀嚼能力の変化とその影響因子の解析,咀嚼能力と食品摂取状況との関連を解析するよていであった.しかしながら,新型コロナウイルス感染症の影響により,例年測定を行なっている測定の実施が難しいじょうきょうとなっている.たつの市の某小学校の学校歯科医と連携をとりながら,実施可能な状況を検討する.今後の実施に問題が生じた場合は得られたデータからの解析を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度,研究物品等の研究費を使用した結果,559円が残った.コロナの影響もあり,次年度に新たに追加で必要となる器材が出る可能性もあるため,次年度に持ち越すこととした.
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