研究課題
1)データの収集:新型コロナウイルスの影響にて、データの収集は行うことが出来なかったが、すでに採取した唾液検体より、唾液中歯周病原菌検査を237件進めた。2)喫煙が咀嚼能率低下のリスクとなる:吹田研究参加者で、ベースライン時ならびにフォローアップ時の両方の歯科健診に参加した男性494名を対象とした。追跡期間中の咀嚼能率の変化率を算出し、変化率の下位25%を「咀嚼能率低下」とした。喫煙者の方が非喫煙者と比較して、追跡期間中における咀嚼能率が大きく低下した。また、喫煙者は非喫煙者と比較し、2倍「咀嚼能率低下」になりやすいことが分かった。3)歯周状態の悪化が咀嚼能力の加齢に伴う低下のリスクを高める: 5年間のフォローアップ期間中に機能的な歯または咬合支持領域の数に変化がなく、吹田研究の663人の参加者を、調査期間中の歯周状態の変化に応じて3つのグループ(回復群、安定群、悪化群)に分類した。歯周状態が悪化すると、咀嚼能力の変化率が有意に低下した(回復群で-11.7%、安定群で-19.2%、悪化群で-30.8%)。重回帰分析から、歯周状態は咀嚼能力の変化率と有意に関連していた。4)咀嚼能力の低下はメタボリックシンドローム(MetS)の発症と関連する:599人の参加者の咀嚼能力を評価し、参加者を2つのグループ(咀嚼能率低下群、咀嚼能率維持群)に分けた。Cox比例ハザード回帰分析では、咀嚼能率低下グループは維持群に比べて、MetSを発症するリスクが2.24倍だった。
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Journal of Clinical Periodontology
巻: 48 ページ: 1208-1215
10.1111/jcpe.13515
Frontiers in Cardiovascular Medicine
巻: 26 ページ: -
10.3389/fcvm.2021.752667