近年、歯周病と動脈硬化との関連が議論されているが、咀嚼能力との関連についてはほとんど検討されていない。また、多くの口腔健康と動脈硬化との関連についての研究は横断研究であり、その因果関係については明らかとなっていない。今回の縦断研究より、咀嚼能率の低下がその後のメタボリックシンドローム発症の危険因子となる可能性が明らかとなった。また、一方で、歯周状態の悪化、喫煙が、咀嚼能率低下の危険因子となる可能性が示唆された。以上より、歯科での歯周病予防に加え禁煙指導が咀嚼能率低下を予防し、咀嚼能率低下を予防することにより、メタボリックシンドロームの予防に寄与する可能性が示唆された。
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