研究課題/領域番号 |
19K19125
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
萬田 陽介 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60794477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 有床義歯補綴学 / 筋電図 / オーラルフレイル |
研究実績の概要 |
本研究では『咀嚼時の舌運動が,舌のトレーニング効果を有するのか』を解明することを本研究課題の核心をなす学術的「問い」とし,①若年者および高齢者における舌運動関連筋の電気生理学的特徴を明らかにすること②食品の物性と咀嚼方法が咀嚼時の舌運動に及ぼす影響を明らかにすること③咀嚼時の舌運動がもたらす舌のトレーニング効果を明らかにすることの3点を目的としている。高齢者の低下した舌機能の回復を目指すことに留まらず,舌機能の低下を防止する日常的機能運動を探索・提示し,摂食嚥下の機能低下を未然に防ぐことで,健康寿命の延伸を達成しようとするものである。 本年度は若年健常者における咀嚼時の舌後方部の筋活動を測定・解析した。その結果,粉砕が必要な食品の咀嚼では,咀嚼初期から嚥下直前を通して非咀嚼側と比較して咀嚼側の舌後方部の運動に関連する筋活動量が優位に大きいことが示された。さらに舌は食品の物性によって活動様式を変化させ,咬筋との協調運動を行っていることが示唆された。本内容は学術誌 Journal of Oral Rehabilitationに掲載されている。 現在,若年者での研究結果を参考に,高齢者における舌後方部の活動実態を解明する研究を検討中である。今後は,高齢者の筋機能特性に応じたリハビリテーション方法の探索を行うことを目的とし,研究を推進する。現在,高齢者のリハビリテーションにおいて注意が必要な筋の疲労を中心とした研究を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,若年健常者における咀嚼時の舌後方部の筋活動について研究を進め,粉砕が必要な食品の咀嚼では咀嚼初期から嚥下直前を通して非咀嚼側と比較して咀嚼側の舌後方部の運動に関連する筋活動量が優位に大きいこと,舌は食品の物性によって活動様式を変化させ咬筋との協調運動を行っていることを論文として報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在,若年者での研究結果を参考に,高齢者における舌後方部の活動実態を解明する研究を検討中である。今後は,高齢者の筋機能特性に応じたリハビリテーション方法の探索を行うことを目的とし,研究を推進する。
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