研究課題/領域番号 |
19K19130
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大川 敏永 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40726006)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CAD/CAM / バーチャルFGP / 機能運動面 |
研究実績の概要 |
本研究の目的を,“CAD/CAM冠の良好な長期予後および適応拡大のために,①前方・側方 滑走運動時と,②咀嚼運動時の対合歯咬合面の運動経路の差から,干渉しやすい部位,運動 を明らかにし,科学的根拠のある咬合調整方法を確立すること ”と位置づけ,被験者20名の顎運動データを採取,解析を行うことで,上記目的を明らかにすることとした. 研究手法として,デジタル式顎運動測定器を用いて,左右側方・前方滑走運動,ガム咀嚼運動(習慣性咀嚼側,非習慣性咀嚼側,自由咀嚼)のデータを採取した.解析を2段階に分けることとし,第一段階:下顎大臼歯咬合面における滑走運動と咀嚼運動の立体的な経路の差および干渉の有無を明らかにする,第二段階:咬合面をさらに細分化(Aコンタクト領域,Bコンタクト領域,Cコンタクト領域),顎運動毎(習慣性咀嚼側片咀嚼,非習慣性片咀嚼,自由咀嚼)における作業側,非作業側のどの部分で最も干渉しやすいか,として研究を進めてきた. 第一段階の解析(被験者10名)は終了,滑走運動と咀嚼運動には差があり,滑走運動を基として咬合面を形成した場合,咀嚼運動時には干渉する部位が存在することを示すことができた.本内容については,“Journal of Oral Health and Biosciences”に論文掲載済みである.また,本研究で使用したCADシステムの測定精度についても,“Dental Materials Journal”に論文掲載予定となっている. 現在,第二段階の解析途中(被験者15名)であるが,非習慣性咀嚼側が作業側となる場合のCコンタクト領域において最も干渉しやすい傾向がでている.また,どの領域においても非習慣性咀嚼側で咀嚼を行った際に干渉が大きくなる傾向にある.詳細な解析および考察が完了次第,論文執筆および投稿予定としている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入は伴わないものの,研究計画にて記載した条件を有する被験者の選考を行ったところ,条件を満たす被験者数がやや少ないこともあり,進捗度はやや遅れている状態にある.
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今後の研究の推進方策 |
現在,上記理由にて進捗度としてはやや遅れが認められており,予定していた20名には到達していないものの,解析終了13名分のデータ(15名分までデータ採取できている)でも良好な結果が得られている(研究実績の第二段階の項参照)ことから,15名分の解析が終了次第,論文執筆を開始する予定である. 今後について,実際に下顎大臼歯部インプラント治療予定患者に対し,本研究で得られた成果および手技を基に暫間補綴物を製作,装着直後および装着1ヶ月程度経過後の暫間補綴物をそれぞれCADシステムにてスキャニングし,理論値と実際の差異について検討を加えたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,当科での顎運動測定器購入および周辺機器購入を予定していたが,本学内の別研究室が所有しており,同研究室承諾のもと使用可能となった.そのため,同機器の購入を中止し,前年度使用分が大幅に減ることとなった. 現在,当該研究および今後の研究推進に向けて,口腔内スキャナ(ヨシダ コエックスi500:200万~240万)を購入予定としている.同機器を購入することで,より円滑かつ短時間で被験者の口腔内状態を記録,研究使用できるようになることが予測される.
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