研究課題/領域番号 |
19K19131
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 良 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60637924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 副甲状腺ホルモン関連蛋白 / オッセオインテグレーション |
研究実績の概要 |
マウスの口腔インプラントの埋伏はサイズ的な問題から、手技的に非常に難しい問題を有している。申請者の教室では以前よりラットの上顎第一大臼歯を抜歯し、歯科インプラント体を埋入し実験を行ってきた。マウスへのインプラント体埋入の予備実験として、ラット、マウスの上顎第一大臼歯を抜歯し抜歯窩へのインプラント体埋入実験を行った。ラットに関しては成功率が8割以上であるもののマウスに関してはより細かい手技操作が必要なるため、成功率は現在のところ2割程度であり今後手術手技の確率を構築していく必要がある。 また2019年の申請者の論文Autocrine regulation of mesenchymal progenitor cell fates orchestrates tooth eruptionの関連研究の成果を報告した。臼歯部のみ萌出が阻害されるPrimary failure of tooth eruption(PFE)の患者の下顎骨および歯のCT解析と副甲状腺ホルモン関連蛋白PTHrPのレセプターを欠損させることでPFEの病態を再現したモデルマウスのμCT解析を行い、研究成果をA three-dimensional analysis of primary failure of eruption in humans and mice(Tokavanich N, Takahashi A et al. Oral Dis 2020)として報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者が2年前に所属の移動で歯学研究院義歯補綴学分野からクラウンブリッジ補綴学分野へ移動になったこと、また大学内での教室の場所が変更になったことであらたに実験室を整理することになり、実験室の立ち上げにかなりの時間を要した。実験機器も老朽化したものが多かったため多くの大型機器を廃棄し、新たに実験機器を整備する必要があった。サーマルサイクラーや電気泳動装置などの必要な実験機器を新たに導入し、現在細胞培養実験を行うための実験室の整備を進めているところである。また実験動物の使用に関する申請で時間を有しており実験開始が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
医学部の動物実験使用施設の申請に時間を要しており、できる限り早期の採択を目指す。使用許可がおりれば実験動物の飼育し、実験を開始する。 これまでの予備実験よりマウスの抜歯窩の治癒過程で副甲状腺ホルモン陽性細胞の抜歯窩への浸潤が起こることを確認しているが、抜歯後の治癒過程における副甲状腺ホルモン陽性細胞の動向をin vivoでさらに詳細に解析を行う予定である。合わせて抜歯窩の治癒を待って歯科インプラント体を埋入し、インプラント体表面での同細胞の動向、および経時的にどのように変化していくかを解析していく予定である。 同時に歯根形成期の副甲状腺ホルモン陽性細胞を歯小のうより採取し、チタンプレート上で培養した場合の細胞の動向および変化についてもin vitro実験を行い解析する予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験室等の整備と実験の申請に時間を要したため実験が遅れているため、初年度の予算を使い切れなかったため次年度使用額が生じた。
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