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2019 年度 実施状況報告書

最大吸引力の客観的評価方法の確立を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 19K19137
研究機関明海大学

研究代表者

三分一 恵里 (深田恵里)  明海大学, 保健医療学部, 講師 (10758238)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード最大吸引力 / 口腔内圧測定装置
研究実績の概要

本研究では,誰もが簡便に使用できる測定装置を作成して吸引時の口腔内圧変化を詳細に検討し,測定方法を確立することで吸引力の明確な基準値を定めること,さらに,吸引力と口腔の形態,機能との関連を明らかとし,装置のリハビリテーションツールとしての応用可能性を探ることを目的としている。
令和元年度は,最大吸引力の測定方法を検討した。直径が異なるポリウレタンチューブ4種類(1.8mm,3.0mm,4.0mm,6.0mm)を用いて行い,最大吸引力測定に適した太さおよび長さを検討した。チューブの長さは,10cm,20cm,30cm,40cm,50cm,60cmとした。さらに,吸引の方法について,「ストローを吸うときのように」「麺を啜るときのように」など異なる表現での指示を行い,最大吸引力の測定において最も適した指示方法の検討も行った。
その結果,チューブの太さは,6.0mmでは上手く吸引することができない者が多かった。1.8mmと4.0mmでは,細い方が吸引しやすいと回答した者と,太い方が吸引しやすいと答えた者がおり,測定値も個人差が大きかったため,対象人数を増やし,より詳細な分析を行う必要がある。
今回は,チューブの長さによって,測定値に大きな差は認められなかったが,操作性や測定時の体勢等も考慮して長さを検討する必要があると考えられた。
今回使用したポリウレタンチューブは素材や直径がストローとは異なったため,「ストローを吸うときのように」という表現では,上手く吸引できない者もいた。また,「麺をすするように」との指示は,麺を啜って食べたことがない,という対象者もおり,吸引の指示の方法については再考の必要がある。
今後は,所属機関にて倫理申請を行い,対象者を増やして測定方法の検討を行うことで,最大吸引力測定方法を確立することを目指すとともに,各年代の最大吸引力の基礎データを構築する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和元年度は,最小でも100名程度を対象として,最大吸引力の測定方法を検討する予定であったが,所属機関における倫理申請に予想よりも時間を要したため,対象者を拡大することが困難であった。それにより,最大吸引力の最適な測定方法を検討するにあたり,十分な対象者数を得ることができなかったため。
また,当該年度に研究代表者が体調不良により傷病休暇を取得したため,研究を継続して実施することが困難であったことも一因である。

今後の研究の推進方策

まず,所属機関への倫理申請を継続して行い,当初の計画通り,対象者を増やして最適な最大吸引力の測定方法を検討する。最大吸引力測定に使用するポリウレタンチューブの太さや長さの種類が多く,対象者1人あたりの測定時間が長くなることが予想されるため,研究者を増やして,対象者の負担を軽減する方法を検討していく。
最大吸引力測定方法を確立した後には,さらに対象者を拡大し,あらゆる年代における最大吸引力の基礎データを構築するとともに,最大吸引力と口腔の形態や機能との関連性を検討し,最大吸引力が口腔機能の複合的な評価方法となるかを併せて検討していく。

次年度使用額が生じた理由

令和元年度は,これまでに使用していた物品を用いて測定を行ったことにより,物品の購入必要性が最小限であったため。また,研究対象者数が当初の予定よりも減少したことにより,消耗品の使用数が少なかったため。
今後は,複数の対象者の測定を同時に実施するため,測定に使用するパソコンやセンサーを購入する。また,今後は研究対象者数が増加すると考えられるため,消耗品の購入を行う。最大吸引力測定方法の検討や測定を行うにあたり,研究対象者の口腔内状態やポリウレタンチューブの設置位置を記録する必要があるため,口腔内撮影用のカメラを購入する。
また,得られた成果をもとに学会発表や論文投稿(英語論文含む)を行うため,旅費や翻訳費用などに用いる。

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公開日: 2021-01-27  

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